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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R129 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日本ピストンリング株式会社 研究開発活動 (2023年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等



当グループでは、社会の目指す「カーボンニュートラル」達成に向けて、自動車用内燃機関の燃費低減技術や水素エンジン、バイオフュ-エル等に対応する主要製品の開発を進めております。例えば、ピストンリングではメカニズムの明確化を行いながら、燃費低減に貢献する表面処理及び高機能化仕様の開発、バルブシートは熱効率向上仕様やバルブシステムの最適化開発を進め、地球環境にやさしい低炭素社会実現に向けた研究開発活動を展開しております。
また、ものづくりにおいては高精度化・低コスト化を目的とした開発テーマを取上げ、生産技術部門と連携したコンカレント開発を行い、課題の早期解決により、量産初期からの収益確保を図っております。
新規事業創出活動は、当社保有技術を活かした新分野(医療機器、モータ等)の開発を行っており、海外大手医療機器メーカとの埋込型医療機器の開発プログラムの推進、産・学・官主催の異業種交流やオープンイノベーションの会合に積極的に参加し、推進させております。
なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は1,723百万円であります。
各セグメントの研究開発活動は次のとおりであります。

(1)自動車関連製品事業

当連結会計年度における自動車関連製品事業に係る研究開発費は1,246百万円であり、主な研究開発活動は次のとおりであります。

①次世代低燃費エンジン用ピストンリング
日米欧中等の排出ガス基準は2025年の規制値が決定し、更にその先のカーボンニュートラルに向けガソリンエンジンは、より一層の高熱効率化、クリーン化、カーボンニュートラル燃料への対応が求められております。カーボンニュートラルへの対応のため、エンジンの比出力、燃焼圧力は上昇し、摩擦損失の低減、粒子状物質(PM)の低減への取り組みが行われております。ピストンリングでは、エンジン開発動向に対し、低摩擦で高耐久性を実現する厚膜DLC皮膜や、過給エンジンのノック環境に対応した高靱性PVD皮膜を市場に投入しており、新たにカーボンニュートラル燃料に対応したピストンリングの提案も行っております。
一方で、エンジンシステムの高機能化に伴う製品コストのバランス配分や効率的な製品開発への対応として、機能予測ツールの開発とそれを活用したモデルベース設計、ものづくり革新として低コストで高精度なピストンリングの開発にも取り組んでおります。また、産学連携強化については、AICEのエンジン研究活動にも直接参加し、日系企業の技術開発強化にも取り組んでおります。

②次世代ディーゼルエンジン用ピストンリング
商用ディーゼルエンジンにおいても2025年燃費基準に適合したエンジン開発が行われており、これまで以上の低燃費技術が求められております。2025年燃費基準に適合したエンジン開発においては、新たにフリクションを低減させる合金PVD皮膜、および低摩擦、低張力で高い潤滑油調整機能を持つ新形状のオイルリングの開発が完了し、クリーンな排ガスと低燃費を両立させることができる製品として市場展開を始めております。また、生産性向上の取組みとして素材形状の最適化に加え、加工精度を向上させることで、加工工程を削減した生産プロセスの開発と実用化にも取り組んでおります。

③バルブシート
ハイブリッド専用機関等の環境に対応した内燃機関の熱効率を向上するために、熱マネージメントを考慮した開発や、高い耐摩耗性が要求される希薄燃焼ガソリンエンジン、EURO7対応ディーゼルエンジン、代替燃料(ガス、エタノール)エンジン、カーボンニュートラル燃料対応エンジンに対応可能な高機能製品の開発に取り組んでおります。また、機能面だけでなくコスト及びコンフリクトミネラル低減を意識し、お客様にとって満足して頂ける最適仕様の製品開発にも取り組んでおり、あらゆる地域の顧客ニーズに対応することを目指し、グローバルな技術提案を行っております。


④組立式焼結カムシャフト
環境対応内燃機関の熱効率向上に寄与する軸部薄肉化による軽量化や、低燃費・高出力に対応する高面圧対応が可能な材料を有しておりお客様への提案を行っております。また、お客様での加工取り代削減と、加工後の材料不良を削減させるため、素材精度向上と素材内在不良低減の開発も継続して行っております。

⑤メタモ―ルド(金属粉末射出成形部品)
CASE領域の中、加速していく自動車の電動化に伴い、操舵系や駆動系関連の部品及び産業機械向け部品について多数の引き合いを受けております。複雑形状をした部品の引き合いは継続して増えており、拡販活動に取り組んでおります。また昨年、外科用インプラントの標準規格ASTM-F2885に準拠したTi-6Al-4V合金材料の開発に成功し、インプラント関連製品への展開を図っております。

⑥新規焼結製品
高機能多孔質金属に関するマーケティング活動においては、具体的に様々なニーズも出てきており、そのニーズに応えるべく、一部製品化開発に着手しております。
現在開発中の3D金属積層造形法は金型不要でありかつ、当社保有のバインダージェット方式はメタモールドと同等の材料特性が得られるため、試作リードタイム短縮、顧客への試作金型費用削減などの利点を生かして量産獲得に向けた展開を図っております。
整形インプラント等の医療関連製品においては、複雑形状且つ生産数量が少ないことから3D金属積層造形法が有用であり、新規参入に向けて材料ラインナップの拡充を図っております。

(2) その他の製品

当連結会計年度におけるその他の製品に係る研究開発費は477百万円であります。
新製品の開発では、医療機器関連の開発として、生体適合性に優れたチタンタンタル合金(NiFreeT)を使用した長期体内留置部材を医療機器メーカーと協業して量産化開発を進捗させております。NiFreeTはチタン合金でありながら優れたX線視認性を持つことから、プラチナ合金の代替部材としての開発も行っております。また、NiFreeTは骨に近い剛性であること、弾性率を変化させることができることから、整形インプラントへの適用を狙い、継続的に大学と共同研究をしております。さらに、大学病院のドクターにアドバイスを頂きながらニーズをリアルタイムでキャッチし、QOL(Quality of Life)を向上させる医療機器の開発も進めております。
歯科インプラントの開発・改良では、CTデータからシミュレーションした位置へ安全安心・確実にインプラント体を埋め込むためのガイド埋入システムの開発を完了させ販売を開始しましたところ、歯科医師から高い評価を得ております。今後もデジタル化が進む歯科業界のニーズに応えた製品展開により顧客満足度の向上を図ってまいります。
CASEの領域の中、電動化社会に向けた対応としては、圧粉コアを利用したアキシャルギャップ型のオリジナルモータを製作しており、オリジナルモータの特長である扁平形状且つ高トルクを生かして、電動化・脱炭素化社会に向けた成長性が高い製品市場であるロボット等の小型移動体の駆動への適用や、その他の移動体への新規参入を模索しております。ロボット向けモータについては複数の検討案件を頂いており、その中には量産化に向けて進捗しているプロジェクトもあります。
当社がこれまでピストンリングで使用してきたPVDやDLCの表面処理は、機械などの摺動部品、ドリルやチップなどの切削工具や刃物、ペットボトル、時計や貴金属、人工関節・血管など様々な製品で実用化され、今後も成長が期待されております。当社が生産しているピストンリングとは製品の用途は違っているものの、PVDやDLCのベースとなる真空蒸着技術は同じであり、これまで自動車メーカーと共に培ってきた技術・品質を活かして新たな製品への展開を目指しております。一例として、各種ギア摩耗対策、加工設備や治工具の寿命延長、金属の耐腐食性向上、医療関連ではNiFreeTの付加価値付与など様々な用途への検討を行っていて、既に一部では試作を納入して顧客での評価を開始しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01597] S100R129)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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