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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007UAM

有価証券報告書抜粋 日立工機株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2016年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりである。
なお、本項に記載した事項のうち、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要に応じて見積りを用いている。
この見積りは連結財務諸表に影響を及ぼしており、また、実際の確定額は見積りによった額と異なる場合がある。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上収益は、日本においては前期末までの住宅投資減速の影響が残り、また、ロシアをはじめとした新興国の多くは通貨安や原油安の影響から厳しい状況となった。しかしながら、ロシアを除く欧州においては概ね回復基調で推移し、北米においては景気回復とともに住宅投資も増加傾向を示し堅調に推移したことなどから、売上収益は1,415億7千万円(前期比4%増)となった。
利益面においては、収益性の高い新製品をはじめ高付加価値製品の拡販やコスト削減に努めたものの、営業利益に最もインパクトのあるユーロと米ドルのクロスレートが悪化したこと、構造改革の一環で不採算工場等の閉鎖を決定しその費用を計上したこと、さらには将来の成長のためドイツ電動工具メーカーmetabo社を買収しその関連費用を計上したことなどから、営業利益26億4千5百万円(前期比59%減)、税引前当期利益27億7千6百万円(前期比56%減)、親会社株主に帰属する当期利益10億8千6百万円(前期比69%減)となった。
各セグメントの業績は次のとおりである。
①電動工具事業
日本においては、業界初の2年保証付高容量6.0Ahリチウムイオン電池の市場浸透が進み、相乗効果でコードレス工具全般が堅調に推移したが、前期末までの住宅投資減速の影響が残り建築関連製品が伸び悩んだことなどから、売上収益は前期比2%の減少になった。
欧州地域においては、南欧、東欧の回復が進み、北欧も堅調に推移したが、欧州で売上構成比の大きかったロシアが通貨安や原油安により通期で大幅に低迷したことや、為替が円高で推移したことなどから、売上収益は前期比2%の減少になった。
北米地域においては、新たなアライアンスを締結した大手ホームセンターとの取引が大幅に拡大した。また、景気回復を背景として一般ルートにおいても当社が得意とする空気工具を中心に堅調に推移し、さらには円安の影響もあり、売上収益は前期比26%の増加となった。
アジア、その他の地域においては、インドは好調を持続したものの、中国経済の鈍化、通貨安、資源安の影響により豪州や中国が減速したことなどから、売上収益は前期比9%の減少となった。
その結果、当事業の売上収益は、1,367億9千7百万円(前期比4%増)となった。営業利益については、収益性の高い先進国での積極拡販や原価低減をはじめとしたコスト削減などに努めたが、不採算工場等の閉鎖費用やmetabo社買収関連費用の計上、為替の影響などにより、15億7千6百万円(前期比72%減)となった。
②ライフサイエンス機器事業
日本においては、インフルエンザワクチン生産用連続超遠心機の受注を複数獲得したことや材料系顧客の開拓・深耕に努めたこと、海外においては、主要代理店との連携強化やユーザー巡回による潜在需要の掘り起しが奏功したことなどから、売上収益47億7千3百万円(前期比16%増)、営業利益10億6千9百万円(前期比60%増)となった。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、国内のほか、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアその他の地域で生産ないし販売活動を行っている。そのため、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループを取り巻く事業環境関係では、当社グループが事業展開している地域における紛争やテロ等の政治的要因、景気や為替レート等の経済的要因、地震その他の災害、伝染病、電力量の不足や大規模なストライキ等の社会的要因がある。また、当社グループの事業運営に関するものとして、環境等の規制に適合し、かつ、ユーザーニーズに応える新製品開発の成否、価格競争を勝ち抜く生産効率向上達成の程度、新規市場ないし新規事業開拓の成否等の要因のほか、情報セキュリティ、企業年金の財政状況等の要因が挙げられる。
(4)戦略的現状と見通し
次期の経済環境をみると、日本経済は、年明けからの円高・株安で景況感は悪化したものの、補正予算による消費刺激策の執行などにより一定の景気下支えが見込まれる。北米経済は、原油安や株安等のマイナス影響はあるものの個人消費と住宅投資が主導し回復が持続する見通しである。欧州経済は、ロシア低迷の長期化などが懸念されるが、基調としては緩やかな回復が見込まれる。アジア、その他の地域の経済は、引き続き高い経済成長が見込まれる地域があるものの、通貨安や資源安で減速が続くと思われる地域もある。
このような状況の下、当社グループは、次のような施策を推進していく。
電動工具事業では、当期に決定したアイルランド工場の閉鎖、ブラジル販売会社の閉鎖等構造改革効果を早期に刈取り、選択と集中により、売上規模の拡大と収益力の向上を追求できる先進国に引き続き経営資源を集中投資していく。また、リソースの有効活用などによる営業体制の強化、北米大手ホームセンターとのアライアンス強化、高容量リチウムイオン電池搭載製品やAC(コード付き)ブラシレスモーター搭載製品など競争力のある戦略製品のシリーズ拡大とグローバル市場でのさらなる拡販、サービス・ファースト(お客様第一主義)に根差したCS向上など各種営業施策を遂行していく。加えて、新たに子会社になったmetabo社とのシナジーを早期に発現させることによって、一層の売上拡大を図っていく。
ライフサイエンス機器事業では、事業推進体制の強化により、これまで以上に製造・販売一体となった事業運営を推進していく。主要取引先であるバイオ系の大学・官公庁研究施設の更新需要の獲得、新販路である材料系顧客の開拓・深耕、バイオ系・材料系それぞれの大型展示会への出展による潜在需要の掘り起しなどの拡販策を積極的に展開していくことにより事業規模の拡大を図っていく。
収益面では、高付加価値な戦略製品を中心とした販売物量の増大や、利益の源泉である新製品の継続投入を図っていく。また、当期に決定した構造改革の効果早期刈取りに加え、これまでに実施した国内工場の集約、欧州中央倉庫活用による在庫の圧縮等、経営効率の向上を一段と推進するなど、今後もあらゆる切り口でグローバルに抜本的な構造改革を推進していく。さらには、metabo社買収によるシナジーの早期発現によって、当社グループの成長力や収益力の向上を図り、業績のV字回復をめざしていく。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
連結での親会社株主持分比率は57.6%であり、財務体質は安定している。
当連結会計年度の営業活動に関するキャッシュ・フローについては、棚卸資産の削減などにより、64億8千1百万円の収入となった。
投資活動に関するキャッシュ・フローについては、metabo社株式の取得による支出などにより、225億4千3百万円の支出となった。
財務活動に関するキャッシュ・フローについては、metabo社株式の取得に伴う短期借入金の増加などにより、161億2千7百万円の収入となった。
以上の結果により、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高から16億1千1百万円減少し、300億3千4百万円となった。
なお、当期は、metabo社買収に係る資金の調達を目的として、306億円の銀行借入を行った。このほか、当社グループの一部の会社は外部からの借入を行っており、当連結会計年度末の外部金融機関等からの借入金残高は
382億9千3百万円である。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、ユーザーニーズに適合した高性能、高品質、かつ顧客満足度の高い製品及びサービスの提供を通じて社会に貢献することを経営の基本方針とし、グローバル企業として、電動工具等の事業をワールドワイドに展開している。また、自らも社会の一員として、「基本と正道」を旨に、コンプライアンスの強化と企業倫理の徹底に努めることにより、社会から信頼される企業となることをめざしている。
この基本方針の下、当社グループは、絶えず変動する経営環境の中、その環境変化を的確に捉え、積極果敢にイノベーションを続けていく。サービス・ファースト(お客様第一主義)を変わらぬ基軸としつつ、業務プロセスや組織の改革をたゆまず実施していくことで、いかなるときでも業績の向上や事業の成長を図ることができる体制を追求し続ける。今後ますます競争が激化するマーケットにおいて、当社グループは、グローバルでの熾烈な競争に勝ち抜き、かねてより目標に掲げてきた「世界のメジャープレーヤー」に向かって邁進していく。
「世界のメジャープレーヤー」をめざして事業規模の拡大を図る一方、継続的な事業の成長・発展を実現するためには、収益性の追求は欠かせない要素となる。当社グループは、連結営業利益率10%以上を目標とし、さらなる企業価値の向上のためにたゆまぬ努力を継続していく。
中長期的な当社グループの経営戦略としては、ますます激化するグローバル競争に勝ち抜くための強靭な企業体質を構築すべく、営業力、製品開発力、コスト競争力の強化等に取り組み、業績の向上をめざし様々な経営施策を積極果敢に推進していく。
また、環境経営を重視し、製造・販売一体となった環境管理の充実を図っていくとともに、事業活動にかかわる省エネルギー化の強力推進や環境に配慮した製品(エコプロダクツ)の積極展開、廃棄物等の徹底削減などに取り組んでいく。
そのための中長期的な経営戦略は、次のとおりである。
①販売物量の増大と収益力の向上を同時に狙える先進国へ、経営資源を集中投資していく。各地域の景気動向やカントリーリスクを的確に見極め、販売ルートの開拓・深耕等各種営業施策を積極的かつタイムリーに展開することにより、事業規模の拡大を図っていく。
②当社のコアであり得意分野である基盤製品の定期的なモデルチェンジの実施、ユーザーニーズを創出する競争優位な戦略製品や他社にないイノベイティブな製品の開発推進により、収益力のある新製品を継続的に市場投入していく。小型、軽量、高耐久、作業量・作業速度アップ、低振動、低騒音、粉塵飛散軽減等、ユーザーの作業効率向上や作業環境改善を志向した製品開発を強化し、顧客満足度の高い製品を拡充していく。
③ブランドをはじめ、metabo社の持つ経営資源を有効活用するとともに、同社とのシナジー効果を早期に発現させていくことによって、当社グループのさらなる業容拡大と収益力強化を図っていく。
④成長分野であるリチウムイオン電池搭載製品について、電池の高容量、高電圧化の推進はもとより、電池多重保護回路による電池の長寿命化を強みに、グローバルブランドとしての「リチウムの日立」の浸透を図っていく。
⑤高効率で省エネルギー、メンテナンスフリーといった多彩なユーザーメリットを有するブラシレスモーターを搭載した製品のラインアップを強化していく。これまで展開してきたコードレス工具のみならず、コード付き工具においても当社が先行するブラシレスモーター化を積極的に展開することにより、「ブラシレスの日立」のブランドイメージを確立していく。
⑥主力市場においてサービス・ファースト(お客様第一主義)を一層強化・推進すべく、サービスネットワークのさらなる拡充を図り、多様化するユーザーニーズへの対応を強化していく。
⑦電動工具製品と同程度の市場規模があるアクセサリ(消耗部品)分野について、新商品の投入によるラインアップの強化等により業容の拡大を図っていく。
⑧激化する価格競争に対応し収益力の強化を図るべく、さらなる原価低減を意識した設計・開発に取り組むとともに、生産コスト、直接材コスト、間接コストなどあらゆる面で徹底したコスト削減を図っていく。
⑨グローバル最適生産体制の追求やグローバルサプライチェーンの見直しを図ることにより、安定的な供給体制の確立に努めるとともに、一層の信頼性向上を図るべく世界同一品質体制の構築をめざしていく。
⑩ライフサイエンス機器事業においては、当社の持つ高い技術力を活かした高付加価値製品を、これまでのバイオ系顧客のみならず材料系顧客にも展開することによって新たな市場の創出を図るとともに、高収益事業としてさらなる成長を図っていく。
⑪財務面では、質・量両面での在庫の適正化、生産から販売までのグローバルサプライチェーンマネジメントの改革など、より効率的にキャッシュを生み出す体制の強化を図っていく。
⑫M&Aやアライアンスを重要な戦略の一つとして位置づけ、当社の推進している電動工具事業、アクセサリ事業等において、迅速に規模の拡大を図るべく引き続き検討していく。

研究開発活動株式の総数等


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