有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AF6Y
株式会社メガチップス 研究開発活動 (2017年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、「独自のアナログ/デジタル/MEMS技術を駆使したシステムLSI及び当該製品を利用したソリューションを提供すること」を方針として掲げ、研究開発を積極的に進めております。
技術革新の著しい成長機器市場において、競争優位性を確保し維持するため、この分野におけるLSI開発の知識とアプリケーションの知識を併せ持つ技術者が顧客やマーケットの要求をいち早く的確に把握し、独創的なアルゴリズム(データの処理手順あるいは手続きや処理方法)やアーキテクチャ(アルゴリズムを実現するためのソフトウェアやハードウェア構成)を開発することにより、製品の競争力と独自性の確保を図っております。
また、経営戦略上、特許権等の工業所有権による知的所有権の保護を重視しております。当連結会計年度末における工業所有権の所有状況並びに工業所有権のうち特許権の国別の所有状況は、次のとおりであります。
工業所有権所有状況 | 2017年3月31日現在 | |||
特許権 | 商標権 | 回路配置利用権 | 合計 | |
取得済み件数 | 1,256 | 35 | 2 | 1,293 |
出願中件数 | 486 | - | - | 486 |
合計 | 1,742 | 35 | 2 | 1,779 |
特許権地域別所有状況 | 2017年3月31日現在 | |||||
日本 | 北米 | アジア (日本を除く) | EU | その他 | 合計 | |
取得済み件数 | 836 | 336 | 75 | 9 | - | 1,256 |
出願中件数 | 341 | 68 | 36 | 24 | 17 | 486 |
合計 | 1,177 | 404 | 111 | 33 | 17 | 1,742 |
当社グループでは、従業員の過半数が研究開発に従事しており、現在、当社の開発部門において、LSI製品、その他製品に関連する以下の課題を中心に研究開発を進めております。
・基礎技術の研究開発:画像圧縮伸張、画像処理・通信に関するアルゴリズム、アーキテクチャ開発、各プロセス世代におけるLSI製品のデジタル設計プラットフォーム、ミックスド・シグナルIPの開発
・LSI製品の開発 :ゲーム機等エンターテインメント機器向けLSI、オーディオ・ビジュアル機器向けLSI、デジタルカメラ向け等画像処理用LSI、画像処理システムLSI用IP、液晶パネル向けタイミングコントローラLSI、光通信向けデータ処理LSI、有線通信向けLSI、アナログフロントエンドLSI、Smart Connectivity LSI(DisplayPort)、MEMSタイミングデバイスの開発
・その他製品の開発 :デジタル映像記録システム、デジタル映像伝送サーバ、セキュリティ用カメラ、セキュリティシステムの開発
当連結会計年度における研究開発費は総額51億9千9百万円となりました。製品種類別の研究開発の目的、主要課題、研究開発成果については次のとおりであります。
なお、当社は単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(1)LSI製品の開発
当社では、研究開発に経営資源を集中し、他社製品との差別化を実現するアナログ/デジタル/MEMS技術を駆使した、システムLSI、システムLSI向けIP(設計資産)などの研究開発を実施しております。
当連結会計年度のLSI製品の主要な研究開発成果は、以下のとおりであります。
① 任天堂㈱製ゲーム機向けゲームソフトウェア格納用LSI
任天堂㈱製ゲーム機向けの、大容量、低消費電力を実現したゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)を、引き続き多品種開発いたしました。
② 液晶パネル向けタイミングコントローラLSIの開発
最新の低消費電力技術を搭載したタイミングコントローラLSIの開発を完了し、量産を開始いたしました。今年度は更なる高集積、低消費電力化を目指し、40nmプロセスを用いた製品の開発、リリースに向けた活動に取り組んでまいります。
③ 光通信向けIP、LSIの開発
光通信ネットワークのアクセス方式であるPON(Passive Optical Network)の次世代システムに向け、最新の低消費電力28nmプロセスを採用した10Gbps(毎秒100億ビット)超高速SerDes(Serializer/Deserializer)IPを開発いたしました。今後、本IPを用い、多様なPONプロトコルへの対応が求められる、次世代高性能PONシステム向けASIC製品の開発に取り組んでまいります。
④ アナログフロントエンドLSIの開発
アクセス・ネットワーク分野において、既存電話線で1Gbps(毎秒10億ビット)のデータ転送を実現する次世代国際標準規格、G.fast向けLSIの第2世代製品の顧客評価が開始されました。G.fastは今後大きく成長する市場と期待されており、低消費電力、高性能及び低価格を実現した本第2世代製品でシェア拡大を目指しております。
⑤ 有線(同軸線、電源線)マルチホップ通信向けLSIの開発
スマートシティやビルディング・オートメーションなど、次世代産業用途向けに有線長距離伝送を実現するマルチホップ通信に対応したLSIの外付けメモリを内蔵した新製品の量産を開始いたしました。メモリを内蔵することで、60%以上の実装面積の削減を達成しております。これまでサイズが課題となり参入が難しかった分野での採用を目指しております。
⑥ Smart Connectivity LSI(DisplayPort)の開発
当社独自のプロトコル変換、A/Vレンダリング、色忠実度の最適化、低消費電力設計、高度なセキュリティ機能、不正改ざん防止機能、高性能な高速信号処理のためのミックスド・シグナル技術などを駆使し、最新のDisplayPort/USB/HDMIに対応した多種多様なコンバーターICを、パソコン、モバイル端末、モニター製品、AV機器など様々な機器向けに開発しております。
今年度においては、4K60Hz HDRビデオに対応し、HDCP2.2で保護されているコンテンツを滑らかに処理することができる、DisplayPortからHDMI2.0b規格に準拠した業界最先端のオーディオビデオ・コンバーターを開発、量産化いたしました。また、USB Type-Cに対応した製品のサンプル提供を開始いたしました。
⑦ MEMSタイミングデバイスの開発
SiTime Corporation独自のMEMS振動子と周波数逓倍回路や位相同期(PLL)回路、温度補正回路を集積したCMOSチップを一体化パッケージすることで、水晶製品を凌駕する性能・小型化と信頼性、大幅なリードタイムの短縮を実現したタイミングデバイスを開発しております。
今年度においては、熱変動、衝撃、振動などの環境負荷状態下においても高精度を維持する超高精度温度補償型MEMS発振器、水晶発振器を30倍上回るロバスト性を備えたMEMS発振器を通信・ネットワーク、ストレージ、サーバ、産業機器、自動車向けに開発いたしました。
(2)その他製品の開発
当社では上記の他、LSIにおける基礎技術をベースとした、主にセキュリティ・モニタリング分野における技術及び製品開発を実施しております。当連結会計年度における主要な研究開発成果は、以下のとおりであります。
① フルデジタル映像記録・伝送システムの機能拡張及びカスタム開発
デジタル画像処理技術とブロードバンド通信技術を駆使し、集中監視・記録が可能なフルデジタルの次世代映像監視システムの、セキュリティ用途の様々なソリューションに対応させるための機能拡張開発及び特定顧客向けカスタマイズ開発を行いました。
② セキュリティ用カメラシステムのラインナップ追加開発
セキュリティ用途の様々なソリューションに対応させるため、カメラのラインナップ追加開発に着手いたしました。当社のLSI技術を活用し、デジタル画像処理技術とブロードバンド通信技術を搭載した、セキュリティ用途向けのカメラシステムのラインナップ強化を更に進めております。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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