有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005HDJ
株式会社メガネスーパー 業績等の概要 (2015年4月期)
(1) 業績
当事業年度におけるわが国の経済は、マクロ環境としては原油価格の下落、円安・株高傾向の継続が好影響を及ぼし、企業収益の改善や活発な雇用情勢が継続することで、緩やかながら景気が持ち直してまいりました。一方、個人消費については、消費税引き上げの反動や物価上昇に伴う実質所得の減少などにより伸び悩む状況が継続しておりましたが、本年3月頃から緩やかに上向いてきました。このような経済・経営環境のもと、当社は当事業年度も引き続き「中期経営計画」に沿って、事業再生を継続して推し進めてまいりました。「中期経営計画」の根幹は、ミドル・シニア層を主たるターゲットとした「アイケア重視のサービス型店舗モデル」への転換であり、「目から元気に!」を基本コンセプトに、単に眼鏡・コンタクトを販売するにとどまらず、「眼の健康寿命」に配慮した商品・サービスやアドバイスを提供することで他社との差別化を図り、お客様からの信頼の獲得に努めております。
これは、高齢化社会の進展により、老視(いわゆる老眼)を有する消費者が増加し、また、いわゆるスマートフォンやPCなどビジュアルディスプレイターミナル(VDT)に依存した生活時間が増え、人類史上おそらく最も眼に負担のかかる視環境になっている現状において、老眼の低年齢化が進む中、「眼の健康寿命」によりいっそう留意して眼鏡やコンタクトレンズを使用すべきという考え方に基づくものであります。
この観点から、当事業年度は、事業セグメント別の項目で後述する「中期経営計画」に沿った事業再生のための各種施策の実行に加えて、下記の通り中長期の成長につながる先行的な取組みも積極的に行いました。
① アイケア研究所の発足
当社は2014年6月に眼鏡・コンタクトを販売するにとどまらず、眼の健康寿命を延ばすために必要なあらゆる解決策(=商品・サービスやアドバイス)を提供する企業として「アイケアカンパニー宣言」を掲げ、2014年10月にアイケア商品・サービスの研究開発を行う研究所として「アイケア研究所」を立ち上げました。現在有識者や様々な企業と提携し、当社の豊富な顧客データベースを活用した、商品・サービス開発を行っております。
当事業年度の具体的な取組みとしては、「ウェアラブル端末製品」の共同開発を開始し新業態店舗「DOCK」の導入を行いました。
〇「ウェアラブル端末製品」の共同開発
デジタルカメラの世界的ODMメーカーであるザクティ社との提携により、眼鏡型ウエアラブル端末製品の開発を進めております。2015年8月~9月にコンセプトモデルの発表を行い、2016年度中に量産を開始する予定です。
〇新業態店舗「DOCK」の導入
2015年3月27日に新業態店舗「DOCK」白金台本店をオープンいたしました。新業態店舗「DOCK」は「アイケア」を重視した新たなモデル店舗であり、お客様が納得される眼鏡やコンタクト選びができるように、店舗レイアウト、コンサルティング等の接客を徹底的に見直しております。今後は「アイケア研究所」を通じて行う各種業務提携等の成果を新業態店舗「DOCK」に取り込むと共に、新業態店舗「DOCK」の多店舗展開を進めてまいります。
② 顧客データベースの統合によるオムニチャネル化
店舗やコールセンター、Web(メール、HP、LINE)といった多様なチャネル間で当社が保有する600万を超える顧客データの詳細(POSデータ、検査データ、顧客属性データ)を一元化いたしました。これにより、当社はデータに基づくカウンセリング力・提案力をより一層強化することができ、お客様は店舗に限らず各種のチャネルを自由に使い、当社の商品・サービスを享受することが可能になります。
また、当事業年度におけるセグメント別の業績は次の通りであります。
① 眼鏡等小売事業
当社の中核事業である眼鏡等小売事業は、「中期経営計画」に沿って様々な施策を実行し、業績向上を目指してまいりました。当事業年度の主な取組みとその成果は次のとおりです。
〇販売費及び一般管理費削減による損益分岐点の改善
当事業年度は前事業年度に引き続き不採算店舗を55店舗閉鎖することにより、地代家賃や販売管理費等の固定費削減を行いました。この結果、売上に対する販売費及び一般管理費率は、前事業年度の第4四半期会計期間において75%でしたが、当事業年度の第4四半期会計期間においては71%に減少しております。これに従い、損益分岐点も大幅に改善されております。
〇既存店舗の収益力向上
当事業年度は2014年7月に開始した「レンズの完全有料化」等の価格政策の見直し、眼鏡フレームのPB(プライベートブランド)製品の強化による粗利率改善等の施策を実施いたしました。これにより、特に当社主力商品である眼鏡の1顧客あたりの売上単価を前事業年度比で28.6%、1顧客あたりの粗利単価も前事業年度比で38.1%上昇させることができました。また、前事業年度に開始したコンタクト定期便、ハイパー保証制度等の新たなサービスの継続拡大も行い、中期的な顧客との関係強化を図れております。
〇店舗のリロケーションと新規出店
当事業年度は当社が掲げる「アイケア重視のサービス型店舗モデル」が適する地域密着型の小規模商圏への新規出店(18店舗)と、既存店のリロケーション(9店舗)を行いました。先の「販売費及び一般管理費の削減による損益分岐点の改善」の項目で述べた55店舗の閉店とあわせ、当事業年度は28店舗純減し、2015年4月末の店舗数は296店舗となりました。
店舗数は純減いたしましたが、「既存店舗の収益力向上」において述べた施策により、各店舗の収益性は改善基調にあります。
上記施策の結果、当事業年度の収益性は大きく改善し、四半期別の営業損失額は対前年同期比においても、前四半期比においても大幅に縮小いたしました。特に直近の2015年3月及び4月度においては、当該事業セグメントの営業利益及び全社の営業利益を黒字化することができました。
しかしながら、当事業年度の年初における消費税駆け込み需要の反動やその後の個人消費の低迷及び店舗閉鎖等のリストラクチャリングに想定以上に時間がかかったこと、施策の実行度を担保するための社員の意識改革に一定の時間を要したこと等により業績予想にて見込んでいた売上と利益水準には届かず、当事業年度の眼鏡小売事業等の売上高は14,076百万円(前事業年度比4.6%減)、営業損失は777百万円(前事業年度は営業損失2,087百万円)となりました。
② 通販事業
通販事業につきましては、全社に占める構成比はまだ小規模ではありますが、下記の施策を実施することにより、前事業年度に引き続き大幅な増収・増益を達成することができました。
○ 2013年12月に行った自社通販サイトのスマートフォン対応とユーザビリティを向上するリニューアル後の継続的なサービス追加
○ 従来の自社サイト及び楽天サイトに加えてAmazonサイトなど業務提携先を拡大
○ LINE等のSNS上での積極的なマーケティング施策の実施
この結果、通販事業の売上高は215百万円(前事業年度比41.2%増)、営業利益は22百万円(前事業年度対比41.5%増)となりました。
かかる各事業の事業活動の結果、当事業年度の全社業績は、売上高は14,291百万円(前事業年度比4.2%減)、営業損失は810百万円(前事業年度は営業損失2,124百万円)、経常損失は987百万円(前事業年度は経常損失2,450百万円)、当期純損失は1,487百万円(前事業年度は当期純損失2,627百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて367百万円減少し、当事業年度末には1,333百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、1,146百万円(前事業年度は1,944百万円の使用)となりました。これは、当社が当初予想しました売上高までには、消費税増税の反動や消費マインドの低迷により伸張が見られなかったものの、売上総利益率の改善、販売費及び一般管理費の大幅な削減に伴い前事業年度に比べて、税引前当期純損失が大幅に改善しました。前事業年度に計上しました広告宣伝費等の支払いに伴いその他流動負債の減少及び売り逃し防止対策として商品在庫を充実したことによりたな卸資産が増加し、仕入債務の支払い及び法人税等の支払いによる減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、414百万円(前事業年度比227.9%増)となりました。これは、新規出店数の増加に伴う敷金及び保証金の差入による支出及び有形固定資産の取得による支出により減少しましたが、店舗の退店に伴う敷金及び保証金の回収による収入が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、364百万円(前事業年度比87.9%減)となりました。これは、第8回新株予約権の発行及び行使による株式の発行による収入等によるものであります。
なお、キャッシュ・フロー指標の推移は、次のとおりであります。
期別 項目 | 2014年 | 2015年 |
4月期 | 4月期 | |
自己資本比率(%) | 0.8 | △8.9 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 14.7 | 29.1 |
債務償還年数(年) | ― | ― |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | ― | ― |
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
2 2014年4月期及び2015年4月期の債務償還年数とインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
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