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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CMJ3

有価証券報告書抜粋 シーシーエス株式会社 研究開発活動 (2017年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは「光を科学し、社会に貢献する」を基本理念として掲げ、積極的な研究開発に努めてまいりました。
当社グループにおける研究開発や商品開発活動は、主として技術・研究開発部門が担当しています。技術・研究開発部門は、先端技術の研究開発等を担当する光技術研究部、照明やUV-LED照射器の商品開発を担当する照明技術・商品開発部、照明や照射器を駆動・制御する電源や制御装置の商品開発を担当する制御技術・商品開発部、LEDデバイスの商品開発を担当するデバイス技術・商品開発部の4部署の構成で、それぞれが密接に協力しながら研究開発や商品開発を進めております。
技術・研究開発スタッフはグループ全体で2017年12月末現在57名にのぼり、これは全社員の約20%に相当します。また、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は680百万円に達します。加えて当社グループは、研究開発における成果等、知的財産の権利化にも積極的に取り組んでおり、当連結会計年度で、14件の特許を出願いたしました。
当連結会計年度における研究成果は次のとおりであります。

(1)MV(マシンビジョン)事業
MV事業では、様々な検査対象物や画像検査装置に最適なライティングソリューションを提供できるよう、多種多様な照明、電源、制御装置を商品化してまいりました。昨今のファクトリーオートメーションや画像検査装置の進歩には著しいものがあり、お客様のニーズの高度化・多様化が加速しています。このような動向にいちはやく対応すべく、当社が長年に亘って蓄積してきた光学技術、制御技術、評価・解析技術を駆使する事に加えて、新技術の研究開発にも積極的に取り組み、卓越した性能の商品や革新的な機能を備えた商品をお客様に提供しております。

①PFシリーズ ラインナップ拡充
「PFシリーズ」は、キセノンランプ置き換えを狙う、ストロボ発光の照明と電源です。発光時間は0.1μsec(1μsecは100万分の1秒)単位で設定可能です。瞬間的に極めて強力な光を照射できることから、検査対象物が高速で移動するような製造ラインにおける画像処理検査に適します。
今回この「PFシリーズ」に、2タイプ16機種の照明を追加し、シリーズを拡充しました。「HPR-PF」はリング形状、「HPD-PF」はドーム形状で、両タイプとも発光色は白色と赤色の2種、サイズは4種を準備しました。いずれも均一な拡散光を照射することで、検査対象物の表面に光沢や凹凸などがある場合でも精細な撮像が可能であり、飲料容器、包装パッケージ、薬品、小型電子部品の外観検査や文字読み取りに適しております。

②LNISシリーズ リニューアル
「LNISシリーズ」は、従来のラインセンサ用照明では検出が困難だったストリークなどの流れ方向のキズの検出を目的に、独自の光学設計で両側斜光照射を実現した、まったく新しいコンセプトの製品です。
今回リニューアルした「LNIS2シリーズ」は、従来の「LNISシリーズ」と比較して最大1.5倍の高出力を実現しており、より広い用途での利用が見込まれます。コンパクトな筐体設計で省スペースを実現するとともに、発光面を片側に寄せた筐体設計により、カメラの視野を遮ることなく検査対象物に照明を近づける事が可能となります。発光色は白色で、サイズは100mmから1,000mmの10種を用意いたしました。

③スポット照明HLV3シリーズ
スポット照明は電子部品・半導体の製造工程において、部品の位置合わせのためのアライメントマーク認識等に広く使用されています。通常、スポット照明は位置合わせ装置1台に複数個使われます。一方、スポット照明は、LEDを1個だけ搭載する構成上、LEDの放射輝度ばらつきが照明の明るさの個体差となって現れます。その結果、お客様が複数のスポット照明の明るさを調整するために大きな工数がかかることが問題でした。
今回商品化した「HLV3シリーズ」では、当社での製造時にLEDに供給する電流を個別に調整することで、明るさの個体差がない機種を用意しました。これにより、お客様の照明取り付けやメンテナンス時の明るさ調整の工数削減に貢献いたします。
また、全機種でLEDを高出力化することで明るさを向上させ、専用電源との組み合わせで最大2倍の明るさを実現した機種もラインアップに追加しました。さらに、光学系について根本的に見直し、当社テレセントリックレンズと組み合わせた際の均一度は全機種で80%以上を達成しております。
以上のように、全機種の明るさと均一性を向上させることに加えて、用途に合わせた多様なタイプを追加し、全29機種を商品化しました。

④照明、電源や制御装置におけるインテリジェント化の推進と新発光デバイスの利用に関する取り組み
昨今、Society5.0(Industrie4.0)、IoT、AIなど、ICTの活用によるファクトリーオートメーションの革新が急速に進行していることを背景に、当社は、情報ネットワークが張り巡らされた工場での利用を前提とした照明や電源、制御装置におけるインテリジェント化を推進し、スマート化に関する研究を進めております。
また、工場内の多種多様な機器を情報ネットワークに接続するため、さまざまな通信規格が提唱されています。このため当社では、工場内情報ネットワークに接続される当社の電源や制御装置を主要な通信規格に対応させるべく、新技術・新商品の開発に取り組んでいます。さらに、照明、電源、制御装置のインテリジェント化を推し進め、LED照明の寿命予測や予知保全を実現するための調査、研究も進めております。
加えて、近年注目されている有機ELやレーザーダイオードなどの新しい発光デバイスを利用するための調査、開発も進めてまいります。

(2)新規事業
①UV(Ultra Violet:紫外線)ビジネス
環境負荷の低減や省電力などの社会的要請と、UV(紫外)-LEDの性能向上を追い風に、樹脂や接着剤の硬化、印刷、感光など様々な工業分野において水銀ランプに代わってLED光源が使われるようになりつつあります。最近では、電子回路基板のパターン形成に用いられるUV露光装置でもLED化が検討されるようになってきました。
これらのUV-LED照射器や露光装置用UV-LED光源の市場規模は非常に大きく、また、当社が今まで蓄積してきた技術が活用できるため、UVビジネスの拡大に向けて積極的に研究・開発に注力しております。すでに商品化した水冷型UV-LED照射器をベースに、高出力化、多波長化、空冷化といった商品拡充を進めています。また、紫外光よりもさらに短い波長(200~300nm)で、細菌やウィルスの殺菌、飲料水・空気の浄化など幅広い分野で利用が可能な深紫外LEDデバイスの開発を、情報通信機構深紫外光ICTデバイス先端開発センターとの共同研究で進めております。

②美術館・博物館ビジネス
自然光LEDを搭載した美術館・博物館用LED照明は、平均演色評価数が照明業界で最高水準であり、展示物本来の色を忠実に再現します。加えて、展示物に与える損傷をきわめて小さくできます。このような美術館・博物館用LED照明は、貴重な展示物の照明に最適であり、美術館、博物館、寺社での採用例は100件を超えております。
また、高演色性や低損傷性の追求だけではなく、明るさや均一性の向上、機器の高機能化や小型化などの研究開発にも積極的に取り組んでおります。

③メディカルビジネス
医療分野では、観察や治療のために特殊な照明が必要とされます。当社は、自然光LEDデバイス技術とMV用LED照明技術を活用し、さまざまなご要望に細かくお応えすることで医療用LED照明を商品化し、市場において高い評価をいただいています。更なる高機能・高性能のご要望にお応えし、メディカルビジネスを拡大させてまいります。

④アグリバイオビジネス
植物工場において、植物を速く、大きく、美味く成長させることを目的に、LED照明の特性が植物の成長に及ぼす影響について長年研究してまいりました。現在は光だけではなく、気温や水温、風速・風向、肥料成分などの環境パラメータも総合的に研究しており、LED照明をより効果的に使用していただくための栽培環境条件のコンサルティングも行っております。加えて、最新の分析技術を活用し、植物育成に最適な肥料を提供するビジネスモデルの展開も始めました。
また、レタス等の葉菜類の栽培ノウハウを活かしたイチゴの通年栽培の研究も始めました。一年を通して高品質のイチゴを求める声は多く、大きなビジネスチャンスと捉え、開発に注力してまいります。

⑤デバイスビジネス
当社は、色の再現性が極めて高い白色LEDデバイスを「自然光LED」として商品化しています。色の再現性を示す平均演色評価数Raは、業界最高水準の98に達します。この「自然光LED」は、当社の美術館・博物館向け照明や基準光源に搭載されております。
さらに、この「自然光LED」の研究開発の過程で得た、分光スペクトルをコントロールする技術により、各種分析装置向けに特殊な分光スペクトルのLEDデバイスも提供しています。
医療機器用LED光源の分野では、高演色性や特殊スペクトル技術が高く評価され、さまざまな観察や治療の用途に向け、医療機器メーカーと共同で、最適なLEDデバイスの研究開発・商品開発を進めております。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02091] S100CMJ3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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